Night of the living mad 2015-06-06 Flyer

洞窟ハイタッチ!— フライヤー アートワーク秘話

フライヤーがそろそろ高円寺Highやその他の場所でお目見えする頃だと思います。
ここでは、フライヤーで使われたアートワークについてのお話を一席。

まずは改めましてフライヤーそのものをご覧ください。
ここで使われたアートワークは、洞窟壁画の手型をモチーフにしています。

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(画像クリックでフライヤーダウンロードのページへ)

 

洞窟壁画

洞窟壁画というのはうんと昔に描かれた人類最古の芸術、牛や獣が描かれたアルタミラやラスコーの壁画など、皆様ご存じのアレです。驚くほどの描写力で描かれた壁画は見るものを魅了します。ヴェルナー・ヘルツォークという有名な映画監督さんも、3万年前のショーヴェ洞窟をドキュメント映画に収めました。この映画、ご覧になりましたか。>>世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶 | MovieBooの記事

それとなく手前勝手な記事にリンクしながら、さて洞窟壁画は牛や馬ばかりでなく、手型の網羅でもよく知られています。手型が密集していたりするんですね。作品を残した人たちの手でしょうか。口に墨を含み、噛み砕いて唾液と混ぜ合わせ、手をあてがった洞窟の壁にエアスプレーのようにぷっぷっぷっぷっと吹き付けて描かれたのだろうと言われています。古代の人(あるいは、古代の人のような人)は何を思って手の型を壁面に残したのでしょうか。
芸術作品には魂が宿りますので、数万年前の手型にもぶりぶりに魂が宿っています。洞窟壁画に魅了されることは、万年単位の時間の流れと、作品に宿った魂に心振るわされるからだと思わないでおれません。

猿の手

洞窟壁画ともうひとつ、手型に惹かれた理由があります。それは「猿の手」という怪奇小説です。「猿の手」は三つの願いを叶える猿の手のミイラを手に入れた家族のお話で、イギリスの古典短編小説ですね。子供の頃読んで虜になりました。洞窟壁画の手型はミイラの猿の手をわずかに連想させ、怪奇なるイメージも伴っていると感じたわけです。
もうひとつ記憶に残る好きな短編がありまして、タイトルは忘れましたが汽車の窓から目を塞ぎ手を伸ばして振る沢山の人が現れるイメージシーンが登場する話でした。ですから「手」や「たくさんの手」というのは怪奇なるものとして認識しているんであります。非常に個人的な感覚ですか。多分そうじゃなく、普遍的な恐怖の連想ではないかとも思えます。
ホラー話で、窓ガラスや車のボンネットや壁に手の型がついていた、なんてのはよくあります。つまり手というのは皆怖いのです。
たくさんの手がどばっと出てくるっていうイメージは、ロメロのゾンビシリーズ三作目「死霊のえじき(Day of the Dead)」の中にも登場します。
「猿の手」もLiving dead(生ける屍)の元祖のようなお話と言えなくもありません。

ロメロ

イベントタイトル「NIGHT OF THE LIVING MAD」はもちろんジョージ・A・ロメロの記念すべき「NIGHT OF THE LIVING DEAD」からいただいたネタで、この言葉から連想される恐怖と狂気というものが、洞窟、洞窟壁画、たくさんの手、と、このように連想を生み、アートワークとして決定したんです(作り手だけによくわかる秘話)

フライヤーのアートワークにしてみた

さてそういうわけで手型の洞窟壁画の拾ってきた画像を切り貼りしたり穴を開けたりしてNIGHT OF THE LIVING MADのアートワークは出来上がりました。
作り手が秘めた洞窟壁画ネタ選択の理由はデザインチームに話しませんでしたが、意外なことに、文字とセットになったときに、先の洞窟壁画に対する畏怖と感銘が効果を加えたのか、普遍的恐怖心が以心伝心したのか、NIGHT OF THE LIVING MADという言葉から受けるゾンビ感などとも妙にマッチしたのか、なかなかいい感じではないかということで、なんとなく採用されこれに決まってきた経緯があります。

入稿直前の変更

内山さんが必死でフライヤーデザインを作り上げ、いよいよ完成間近、入稿直前のある時期、この画像を見ていてひとつの軽いアイデアが浮かびまして、作り手がおそるおそる提案し、そして瞬く間に実現して最終的なこの形になりました。

flyer_art_work

さてパッと見ただけでお気づきかどうか、よく見ると何やらモノホンの手の写真が混ざり込んでいますよね。完成直前に思いついて実現したアイデアとはこのことです。洞窟壁画の手型に、イベント出演者たちの手の写真を混ぜ込むことにしてみたのです。

「あのー。お忙しいところすいません。みなさん、手のひらの写真を撮ってメールで送ってください。締め切りですか?今すぐです」との伝達が瞬く間に出演者たちに広がり、普通なら面倒くさがってスルーしてもおかしくないこの馬鹿なお誘いに速攻答えてくださいました。もちろん急なお願いだったので全員ではないですが、思った以上の方が手の写真を送ってくれて、一時期フライヤーデザインチームの受信箱はハイタッチが集うのに似た楽しさに満ちたのです。

実をいうとハイタッチみたいな楽しげなものになるとは提案者は考えてもいませんでした。どちらかというと、不気味で気違いじみている提案だと思っていたのです。
でも実際やってみるととても楽しいことなのでした。

さて、集まったハイタッチ画像を編集ソフトで開き、適度に溶け込ませ適度に目立つような案配で洞窟コラージュ画像に配置していきます。そのようにしてこのアートワークは完成しました。

誰の手がどれなのか、おわかりになるでしょうか。なるわけないか。

次のページでは、誰の手がどこにあるのかを発表します。

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